業界によって働き方はどう変わる?
薬剤師の仕事内容も職場が変われば変化します
- ナオリンが前に正社員で働いていた職場は調剤薬局デシタネ?
- そうよ。まあまあ名の知れたチェーン調剤薬局よ。
- スルト、次の転職先も調剤薬局で探しているんデスカ…?
- それが、ちょっと迷ってるの。似たような職場だと、お仕事の中身も似たような感じになるでしょ?今度は派遣社員としてスキルを磨くか、社員として安定を求めるべきか?薬剤師の少ない場所で地域の人達のために頑張るか?最近は薬剤師でも働き方の選択肢が増えたでしょう?
- ソウデスネ。同じ業種の場合は業務内容も共通している部分が多いデスカラ。
- 薬剤師のお仕事って、どこも同じこと書いてある気がするの、もっと詳細な情報がないと転職先として決められないの。
- イエイエ、そんなことはアリマセンヨ。同じ職種であっても、処方内容や会社の大小、会社の方針等によって違ってキマス。ナオリンさんは待遇面しか見てないのではアリマセンカ?特に、勤務先の業種が変われば、当然その内容は大きく変わってキマス。
- 勤務先の業種…?業種って薬局じゃないの?
- 薬剤師の勤務先として考えられるのはまず薬局、それから病院や福祉施設、そして製薬会社やドラッグストアなどの医薬品関連企業という3つに大別されマス。さらに社員、派遣、アルバイトと働き方も色々デス。
- そうか、薬局以外にも転職先の選択肢があるわけね。
- 厚生労働省の調査にヨレバ、薬剤師の半数以上は薬局で働いてイマス。デモ、だいたい5人に1人は病院関係、6人に1人は企業に勤務する薬剤師なんデスヨ。
- 一口に薬剤師といっても職場環境はいろいろあるのね…。
- マタ、それぞれの業種の中デモ、規模の大小による差もアリマス。
- お仕事の中身はどれくらい違うのかしら…?
- まず薬局デスガ、現在、全国に5万軒以上存在シ、コンビニエンスストアより多いと言われてイマス。その大半が調剤薬局デスガ、基本的に医療機関で発行された処方箋に基づいて調剤を行う「保険調剤」がメインの業務となるため、病院の近くに立地してイマス。
- そうそう。いわゆる「門前薬局」ね。
- 患者様と直接やりとりしてお薬をお渡しするので、コミュニケーション能力がポイントになりマスネ。患者様だけでなく病院のドクターとのやりとりも多いデス。この傾向は、今後、増加傾向でもある「かかりつけ薬局」ではさらにコミュニケーションスキルが重要になるデショウ。
- 調剤薬局は勤務時間が決まってて、土日がお休みだから良かったんだけど…。
- 調剤薬局の営業時間は病院の診療時間に合わせるので、土日も診療を行う病院の場合は薬局も開けていたりするケースもありマス。また、「かかりつけ薬剤師」の場合は24時間対応が前提デスカラ、サラリーマンのようなわけにはイキマセンヨ。
- そうだった…。これからは薬局の役割も変わるのよね。
- ハイ。タダ、大手チェーンなどでは薬剤師や調剤事務担当者の人数も多く、シフト勤務などで対応することになるデショウ。調剤薬局では処方箋の枚数によって薬剤師を配置しますカラ、患者様の多い病院では調剤薬局の薬剤師も多くなりマス。
- いざというときに、代わりの薬剤師さんがいてくれると助かるわ。
- 個人経営の小さな調剤薬局では、その点は不安かもしれマセンネ。デモ、そのぶんいろいろな業務を経験できるし経営感覚も身につくノデ、将来は自分で調剤薬局を経営したいという独立志向の強い人は個人薬局へ転職する人も多いようデス。給与面でも、比較的優遇されますし、経営者は自分より先に独立した薬剤師ですから学べる事も多いはずデス。
- たしかに経営者と相性が合えばたくさんの事を教えてもらえそう。個人薬局に転職しても働きやすいかもね…。
- ツギニ、病院勤務の薬剤師については、院内処方かどうかで業務内容が大きく異なりマス。最近では外来での調剤薬局が増えたので減ってきてはイマスガ、24時間体制の大規模病院デハ薬剤師もドクターや看護師と同様に、当直や休日出勤などシフト勤務を組み込まれることが珍しくないようデス。
- 友だちに看護師がいるけど、勤務が不規則だから大変って言ってたわ。
- 病院勤務の場合、薬剤師に求められる役割も大きいので、やりがいは大きいと言えマス。他では得られない臨床経験も積めますカラ、専門薬剤師などスキルアップを目指す人にとっては目標に近づくためのステップにもなりマスネ。また、病院勤務とは違いマスガ、総合病院の門前薬局で働くこともスキルアップにつながりやすいデスネ。あらゆる診療科目の処方箋がきますカラ、お薬に関する知識や経験が大きく広がりマスヨ。
- 3つめは企業で働く薬剤師だったわね。
- ハイ、薬剤師が働く企業には製薬企業と医薬品販売企業がありマス。製薬会社の場合、研究や治験のお仕事もありマスガ、むしろ営業職であるMR(医薬品情報提供者)として働いている薬剤師がほとんどデスネ。MRに薬剤師の資格は必要ないのデスガ、医薬品の知識を扱う仕事ですカラ、基本知識のある薬剤師はスムーズに入りやすいのデス。営業職ならではの成績に連動した収入も魅力となってイマス。
- 医薬品販売企業って、ドラッグストアのこと…?
- ソウデスネ。ナオリンは調剤薬局とドラッグストアの違いを説明できマスカ?
- えっ・・・急に言われても心の準備が・・・(汗)。
- オオゲサデスネ(笑)。マズ、調剤薬局で扱うのはほとんど医療用医薬品デスガ、ドラッグストアでは一般用医薬品(OTC、大衆薬)デス。中でも第一類医薬品は薬剤師がいないと販売できないので、薬剤師の存在が不可欠なのデス。ツギニ、調剤薬局に来られるのは処方箋を持った患者様ですが、ドラッグストアに来られるのは一般のお客様デス。実際に医療法では、調剤薬局は医療提供施設と位置づけられてイマスガ、ドラッグストアにはそのような規定はアリマセン。
- ドラッグストアって、お薬以外の商品も売ってるわよね。
- ハイ。調剤薬局でも介護用品や健康食品を扱っていたりしますが、売上の大半は保険調剤によるものデス。ドラッグストアの場合は日用品や食品、電化製品まで幅広い品ぞろえを特徴とするお店がほとんどデスネ。シタガッテ、薬剤師だからといって医薬品に関する業務だけやっていればいいとは限りマセン。レジに立ったり、品出しなどで重い荷物を運ぶこともあるカモ…。薬剤師として本来の仕事以外の仕事を担当する場合もあるので、シッカリ確認してクダサイネ。見方を変えれば同じ職場の人達同士で協力して色々なお仕事ができるともイエマス。
- え~っ、ワタシ、お箸より重いものは持ったことが……(汗)。
- それに、ドラッグストアの場合は営業時間が長くて毎日、夜遅くまで開けてますヨネ…?確実に土日、祝日をお休みという訳にいかないかもシレマセン。
- う~ん、やっぱりワタシは調剤薬局かな(笑)。
- でも、ドラッグストアは仕事の幅が広く勤務時間が不規則なぶん、平均給与が高めデスヨ。企業規模にもよりマスガ、店長やエリアマネージャー、本部課長など多岐にわたるキャリアパスが用意されているのもドラッグストアの特徴デス。ステップアップに伴って収入も上がっていくという仕組みデスネ。
- 薬剤師といっても働く環境は人それぞれなのね……。どこに転職するか考えちゃうな。
- アンズルヨリウムガヤスシ、とも言いマスガ・・・・。