「かかりつけ薬剤師」になるには
24時間、いつでも気軽に服薬状況管理や健康相談ができ信頼ある、地域に密着した薬局で働く「かかりつけ薬剤師」になるには?
- 今回は調剤薬局の薬剤師達が注目している「かかりつけ薬剤師」について研究シマショウ。
- 聞いたことある。2016年から始まった制度よね。
- ハイ。2016年4月の診療報酬改定で正式にスタートした制度デス。健康や介護に関する豊富な知識や経験、患者さんや生活者のニーズに沿った薬に関する相談に対応できる薬剤師を増やし、将来的にかかりつけ薬局を増やしていこうと厚生労働省が中心となって推進していマス。
- ふつうの薬剤師と何が違うのかしら。
- かかりつけ薬剤師は患者様1人につき、1人しか指定デキマセン。
- 薬剤師1人につき1人の患者さんならじっくり丁寧に対応できそうね。
- ハイ。患者様の服用歴に基づくおくすりの相談・指導を1人の薬剤師が専任で担当するのデス。
その前に、今回の制度の背景を説明シマショウ。急速に高齢化が進むわが国デハ、高齢者患者の増加に伴って病院の病床数不足や人手不足、医療費の膨張による国庫負担の増加といった深刻な課題がクローズアップされてきてイマス。
これらの問題を解消するタメニ、厚生労働省が中心となって「高齢者患者には自宅で療養していただく」という施策が進められているのデス。 - それ、在宅医療って言うんでしょ?
- 正解デス。在宅医療デハ、訪問診療を行う医師や訪問看護師を充実させる必要がアリマスガ、同様に薬局にも地域社会との連携が求められるわけデス。このように地域と密着した薬局を増やすタメニ、従来は病院の近くに集中していたイワユル門前薬局を、患者様の自宅の近くにある「かかりつけ薬局」に再編していくことになっているのデス。
- 薬局やそこで働く薬剤師の役割、働き方が変わってきそうね…。
- ハイ。将来的ニハ、すべての薬局が「かかりつけ薬局」に転換される予定デス。
- と、いうことは…(汗)。
- かかりつけ薬局には当然、「かかりつけ薬剤師」がいなくてはナリマセン。
- ちょっと待って。その制度、もうスタートしてるんでしょ?
- モチロン始まったばかりですカラ、この制度の要件を満たすかかりつけ薬剤師の数は多くありマセン。ある調査では、制度のスタート時点でのかかりつけ薬剤師の数は、薬剤師全体の4割程度とされてイマス。地方によっては登録者が1ケタという調剤薬局もまだまだありマス。
- それでも、もうそんなにいるのね。ワタシも早くしないと。
- タダ、かかりつけ薬剤師になるにはいくつかの条件がありマス。マズ、薬局での勤務経験が3年以上。ソレカラ、同一の保険薬局に週32時間以上勤務、その薬局に半年以上在籍してイルコト。サラニ、3年毎に更新が必要な研修認定薬剤師の資格を取得してイルコト、地域の医療イベントに参加してイルコト……。
週4日8時間以上なら派遣薬剤師でも1つの条件はクリアしマス。 - 転職してスグできたりするワケではないのね。というか「かかりつけ薬局」になるには自分に何が足りないか目的を持って転職したり、派遣先を決めたりしていかないとね。
今のワタシにはまだまだ高すぎるハードルだわ(泣)。 - 焦らないで、ワンステップずつ上がればいいと思いマスヨ。まずは転職活動カラ。
- 地域にねざした薬剤師として経験を積まないと、かかりつけ薬剤師への道は長いのね…(遠い目)。
- 逆に要件を満たしていれば、厚生労働省の支局である地方厚生局に届け出るだけで試験や研修を受ける必要はアリマセン。
とは言っても、かかりつけ薬剤師になってからも楽ではアリマセンヨ。専任の薬剤師として担当する患者様のおくすりをすべて担当することはモチロン、体調や食事の管理などの健康相談にも乗るので幅広い知識が必要デス。その中には患者様の使用したサプリメントや市販薬(OTC医薬品)の管理プラス時間外の対応ができる体制も含まれマス。 - 既定の時間に届かない派遣薬剤師はかかりつけ薬剤師というわけにはいかないし、すべての薬を調剤できるってだけでも大変なことよね。そのうえ調剤知識以外の勉強も欠かせないってことか…。熟達した経験が必要ってことね。
- シカモ患者様からの相談には、24時間応じられるようにしておかなくてはナリマセン。勤務表や緊急連絡先を患者様に知らせておくほか、場合によっては患者様のお宅を訪問しておくすりの整理なども行いマス。
- これまでの薬剤師の仕事とはだいぶ違うのね…。それだけ患者様と密接にかかわることになるのね。でも、患者さんにとっては夜間や休日でも、在宅での療養に関して相談できるのは良いことよね。
- だからコミュニケーション能力を磨くことも大切デスヨ。患者様の状況をドクターや看護師に伝えることも多くなるはずデス。
- 接客スキルが重要って、なんか大変そうな気がしてきた…。
- デモ、かかりつけ薬剤師になれば患者様からは信頼され、地域の医療チームの一員として認められることになるので、大きなヤリガイと充実感を感じられるはずデス。
- 責任が重いぶん、中途半端では許されないものね。
- ナオリン、ちょっと目の色が変わってキマシタネ?
- これからの調剤薬局や薬剤師の役割が大きく変化していくことになるんですもの。ワタシも少しくらいは変わらないと…!
- 転職活動も、その調子で頑張ってクダサイネ!