「プライベートの時間も重視したい」「仕事に復帰するステップとしたい」という方にぴったりなのが派遣社員という働き方。自分にあった労働スタイルを選べる自由度が特徴の一つですが、その一方で「派遣切り」などのワードも流行し、契約面で不安が残る方もいるかもしれません。
2008年に起きたリーマンショックの余波により、日本でも輸出関連を中心とした製造業に突如大きな不況の波が押し寄せ、生産調整に伴う人員整理が行われました。この人員整理が「派遣切り」と呼ばれています。
しかし、この出来事がきっかけの一つとなり、労働者派遣法が段階的に見直されることとなりました。直近では昨年改正され、9月30日に施行されました。ここでは派遣社員として働く前の基礎知識として、労働派遣法改正後の待遇について、各ポイントを確認していきましょう。
派遣社員 → ×:常用社員の代替要員
派遣社員 → ○:臨時的・一時的な要員
企業が正社員の割合を下げ、派遣社員を多くして全体の人件費を抑えようとする経営方針を阻止することが目的です。
最も大きな目的は「雇用の安定化」。また派遣社員のキャリアアップを図るよう、派遣元・派遣先(受け入れ側企業)双方に努力義務が課せられます。
改正前は契約更新をすることで、派遣のまま無期限雇用が継続されましたが、改正後は更新が原則不可となり、契約期間が最長3年となりました。この3年の期間のうちに双方のマッチングを図ります。
雇用期間終了時には、正社員として無期契約を結ぶか、派遣先との契約を終了するかが決まります。派遣社員として長い期間働くことはできなくなりますが、職場で活躍し正社員になれる可能性も高まります。
※派遣元での無期限雇用が約束されている場合は例外となります。また60歳以上の人も例外となります。
上記の業種を見て、「薬剤師は?」と疑問に持つ方も多いでしょう。医師・歯科医師・薬剤師(調剤)・看護師・保健師・助産師等の医療専門職は原則派遣禁止業務とされていますが、下記の例外が認められています。
<派遣OKとなるケース>薬剤師は、派遣が禁止されている「医療関連」業務の一つですが、ドラッグストアや調剤薬局は、上記<派遣OKとなるケース>のうち、(2) 病院・診療所等以外で行われる業務とみなされます。そのため、派遣労働をすることが可能です。
それでは、病院で派遣として働きたい方はどうすればいいのでしょうか。(1)の紹介予定派遣と、(3)の産休等代替要員であれば、病院に派遣で勤めることも可能です。それぞれについて見ていきましょう。
紹介予定派遣とは、一時的なサポートではなく、直接雇用を前提とした派遣形態です。
簡単にいうと「6ヶ月のお試し期間を経た上での正式採用」というトライアルです。
お試し期間後の意思確認は双方に与えられていますので、求職者側からお断りすることも可能。
正式採用に至らない場合、6ヶ月の派遣契約満了というかたちで勤務が終了します。
ではこの6ヶ月間に及ぶ派遣期間ですが、どういう立場で契約することになるのでしょうか。
派遣契約の諸条件についてのチェックポイントは下記の通りです。
つまり「6ヶ月間は派遣元である当社の社員として派遣先で働く」という、出向社員のような立場になります。紹介予定派遣における派遣期間満了後、派遣先と求職者のどちらかが正式採用を望まない場合、また新しい職場を探すこととなります。
産休等代替要員は通常の派遣契約と同じですが、注意すべき点がいくつかあります。
通常、産休等の代替要員は1年間程度の有期契約となります。当初の契約期間を過ぎても、派遣先と派遣元との間で派遣期間の延長契約が交わされた場合、最長3年までは働き続けることができます。
将来のへのステップとして一時的に働きたいのか、長期的な雇用を望んでいるのかというところで、派遣先の選び方も変わってきます。まずは働きたい期間と、最終的に望む契約形態を考えて、それから求人情報を探しましょう。
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