薬剤師と個人情報について
調剤薬局で働く薬剤師は個人情報の重要性をしっかり認識しましょう
- アクシス、ワタシたいへんなことに気がついちゃったの。
- イキナリ、何の話デスカ……?
- 調剤薬局へ転職したり、派遣で働く薬剤師のお仕事って、患者様一人ひとりの処方箋に基づいて調剤を行ったり薬歴を管理したり、ときにはご自宅まで出向いて服薬指導をするわけよね?
- ソウデスネ。かかりつけ薬局にナレバ、さらにその傾向が強まるはずデス。
- それって、当たり前のようにやってるけど、患者様にとってみれば個人情報のカタマリじゃないかと思ったの。
- その通りデス。氏名や生年月日、住所はもとより、これまでかかった病気や治療経過が記録されているわけデスカラ。
- 最近、年金とかで個人情報の流出が社会問題になっているでしょ? 万一、患者様の情報が第三者に漏れたら大問題になるんじゃないかと怖くなって・・・(汗)。転職したばかりとか、派遣だからとか言い訳にはならないのね。
- 個人情報保護法は、個人情報を扱うすべての業種に関わる法律デスガ、その中でも病歴や宗教といった、他人に知られたくない情報は重要デス。ソウシタ特にデリケートな、いわゆるセンシティブ情報(機微情報)は通常の個人情報とは区別され、取扱いには注意が必要とされてイマス。2015年に改正された改正個人情報保護法では、これらを「要配慮個人情報」と規定してイマス。
- 薬剤師が扱う薬歴も当然、それに該当するってことよね…?
- ハイ。病歴は思想・信条や宗教と並んで、社会的差別の原因となりかねないため、とくに厳格に取り扱わなければナリマセン。薬歴もそれに準じるものデス。
- 厳格に取り扱うと言われても、薬剤師はどうすればいいのかしら(汗)。
- その具体的な方法は、厚生労働省から「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」として示されてイマス。マタ、各薬局でも独自のガイドラインを定めているケースも多いデスネ。
- 正社員の薬剤師だけでなく派遣薬剤師でも注意をしながら、ルールに従っていれば安心よね。
- シカシ、実際に医療業界でも個人情報の漏えい事件は起きてイマス。病院が患者様の情報を本人の同意なくホームページに掲載してシマッタリ、調剤薬局の社員が会社からコピーして持ち出した処方箋などのデータが流出したケースがアリマシタ。
- 薬歴の記入作成って、時間がかかるのよね。薬剤師が持ち帰ってやってることもあったみたい。
- データの流出や盗難を防ぐタメニ、調剤薬局の社員でも派遣薬剤師でも個人情報を薬局外に持ち出さないことが基本中の基本デス。マタ、薬局内で誤ってゴミとして廃棄しないよう、管理には注意シマショウ。
- 調剤薬局で扱う個人情報って、どんなものがあるのかな?
- 代表的なものでは、大きく4種類がアリマス。「新患アンケート用紙」「処方箋・調剤録」「薬歴・レセプト」「薬剤情報提供書、薬袋など」デスネ。とくに紙の記録は、一般ゴミと紛れやすいので慎重に扱うことが大切デス。
- 印刷ミスや書き損じも、そのまま捨てたらダメってことよね。
- 薬剤師自身が個人情報に対する意識が低いと、重要な情報をウッカリ第三者に漏らしてしまうことにナリカネマセン。薬局内での保管方法、破棄のタイミングなどはしっかり確認シマショウ。
- わかったわ。ワタシがかかわった個人情報はどこにも出さない!
- トコロガ、公開しなくてはならない場合もあるのデス。
- え~っ、せっかく大切に守ってるのに・・・
- ソレハ医療機関などからの照会に応じる場合デス。こうしたケースでは薬局は処方医と連携シテ、個人情報を公開しなければならないことがあり、これを多職種連携と呼んでイマス。入退院や転院の際、病歴や治療経過を引き継ぐタメニ行われマス。介護サービスに利用される場合もありマスネ。
- ところで個人情報が流出してしまったら、どんな事件になるの?
- マズ対象の患者様に対して、民法上の損害賠償責任が発生シマス。万一、個人情報が流出してしまった時のために「個人情報漏えい保険」という対策もあるにはありマスガ、それよりも失ってしまった社会的信用を取り戻すことのほうが大変デショウ。
- 転職したてで薬局のルールを知らず、経験の浅い薬剤師がうっかりなんてことで会社の信用がなくなっちゃうということもあるから責任重大ね…(汗)。
- 患者様の信頼を裏切らないよう、派遣やアルバイトだから気楽に考えず、薬剤師として、常日ごろから情報管理には十分すぎるほど気をつかってクダサイネ。
- ワタシの体重もセンシティブだから気をつけて管理しなくちゃ。
- その点は、食べ過ぎに注意すればイインデスヨ・・・!